家をつくろう 2 子ども部屋どうする?

乳幼児がいる段階で家づくりを考え始めると、子ども部屋をどうするかというのは割と初期に検討しはじめるポイントかと思います。

まずは自分の家という観点で気になる点を並べてみると、

・帰宅して部屋までの動線
・最初から子ども部屋をつくるかどうか
・プライバシーをどの程度与えるか
・音の問題
・勉強をどこでするか
・どの程度の広さにするか
・陽当たり
・巣立ったあとの使い方

といったあたりになります。

まず「帰宅してから部屋までの動線」ですが、これはよほどの問題がない限りは定番のリビングを通って部屋に入るというのが一番良いと思います。

戸建の場合はこの動線の実現が難しいことはあまり無いのでリビングの先に子ども部屋というレイアウトは確定とします。

「最初から子ども部屋をつくるかどうか」というのは、リビングに子ども部屋を併設する際に子ども部屋用のスペースを仕切らずにリビングの一角として利用するときに検討されることが多いです。

子ども部屋をあとから仕切ることにする場合、たいていは将来子ども部屋スペースが子どもの遊び場として使われることが多く、リビングと一体となったスペースでのびのび遊んでもらえるというメリットがあり、これまで設計してきた事例でも数多く取り入れられています。

デメリットとしては、あとから間仕切り工事の費用がかかること、遊び道具がリビングから見える場所に散らばりがちになることなどがあります。

また、当初仕切らないとした場合は何歳になったら仕切るかを考えることになり、その時期に合わせた資金計画なども検討すべき点です。

我が家の場合は希望としては小学校に入ったら一人で寝てほしいという思いがあり、そうなると仮に当初仕切らなくても住み始めて2年半くらいで仕切ることになり、引っ越して2年半というのは割とあっという間で、そんなタイミングでまた工事というのも慌ただしいので最初から部屋としてつくっておこうということになりました。

「プライバシーをどの程度与えるか」という点では、何歳くらいからどの程度のプライバシーを求めるようになるかは未知数で、おそらく最初から扉をつけてしまうと、なんとなく閉めるのも当たり前のような感覚になり些細な心理の変化を感じられないのではないかと思い、部屋はあるけど扉はない状態からスタートすることにします。

扉は引き戸のレールまで設置しておいてあとから簡単に吊るせるようにしておきながら、自分から扉がほしいと言うまでは設置しない作戦でいくことにしました。

プライバシーの問題は「音の問題」とも絡んできます。

今回は引き戸にする予定ですが、引き戸はどうしても開き戸より音が漏れやすくなり、親子共々にとってストレスとなる可能性もあります。

特にリビングに近い子ども部屋の場合は子どもが寝たあとにリビングで発生する音に気を使う必要もあるので必ずしも勧められるものではありませんが、逆にどのような不都合がありどのように対処するかというのを体験したいという設計者のわがままで引き戸にしてみようと思います。

往々にして設計者の子どもというのはちょっとした不遇があるものです。

次の「勉強をどこでするか」というのは、正直かなり先行き不明です。

最近は勉強部屋を専用に設けた方が良いという説も出てきてますが、狭小住宅においてはあまり現実的ではなく、おそらく小学校のうちはリビングやダイニングで宿題をしたりして、中高生くらいになると部屋でするのかなというくらいの感覚です。

勉強をどこでするかとも絡んでくるのが「どの程度の広さにするか」ですが、部屋はベッドと机と多少趣味のものが置ければ良いかことにしました。

実は自分自身は割と広い部屋を与えてもらっていたのですが、大学に入ってルームシェアをしていた時の狭い部屋のほうが実は居心地が良かったという経験があります。

なんとなく4.5畳というのが子ども部屋のミニマムのような風潮もありますが、ハイベッドなどを使えば3畳程度でも必要なものはじゅうぶん収まるので、少しだけ余裕を見て3畳+ロフトのような感じで考えることにしました。

そもそも土地が狭くてそれほどスペースが取れないというのもありますが、早々に狭い部屋から脱して一人暮らししたいと思ってほしいという願望もあります。

最後に「陽当たり」「巣立ったあとの使い方」は、まとめて考えることにします。

部屋が完全に子ども専用となる時期は10年前後と考えると子ども部屋以外として使う時期のほうが長くなる可能性が高いです。

自分の実家などもそうですが、子ども部屋がほぼ物置となっていてたまに帰った時にだけ使われる状態の部屋というのは多く、広い家ならそれもありかもしれませんが狭小住宅だともったいないので、巣立ったあとは親が趣味などで使える場所として考えることにします。

子ども部屋として割り切ると、日中は学校でいないことのほうが多かったり、あまり部屋にこもってほしくないなどの理由でそれほど陽当りは重視しないこともあるのですが、巣立ったあとに薄暗い部屋だとなんとなく使うのが億劫になり結局物置になって本来不要なものを貯め込んでカビだらけという悪循環に陥りそうな気がするので、なるべく陽当たりの良い場所にしておこうと思います。

まだはっきりと用途は決まってませんが、将来あそこで何をしようなどと考えるのも親が健康な老後を過ごす上でプラスになるような気がします。

子ども部屋についてはこのような感じで仮決めして全体の計画に進んでいきます。